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文語の歴史

1. 初期フィンランド語[~1530年代まで]

フィンランド語の(印刷された)文献が現われる以前のいわばフィンランド語の先史時代。古文書などに記載されている地名・人名などの固有名詞を除くと,フィンランド語で書かれた文献資料のない時期である。

1323年にスウェーデンとノヴゴロドの間で結ばれた講和条約 (パフキナサーリ Pähkinäsaari の講和) 以来スウェーデンの支配を受けてきたフィンランドでは,教会の言語はもっぱらラテン語とスウェーデン語であったが,すでに15世紀の前半に,トゥルク大聖堂でフィンランド語の説教が行なわれていたらしいという記録があるものの,その時代のフィンランド語の手稿は残されていない。

更新日 2005/11/11